安楽寺~国宝・八角三重塔から御朱印まで。信州最古のお寺へ行こう

信州最古のお寺である安楽寺。ここには国宝・八角三重塔があります。
安楽寺は信州上田の旅に欠かせない重要なパワースポットとしても人気が高く、みどころ満載です。安楽寺の見逃せないスポットをまとめてご紹介します。

■安楽寺とは

大きなかやぶき屋根が特徴の安楽寺は、日本でもっとも古い臨済禅宗寺院の一つです。
天正十六年(1588)高山順京が曹洞宗に改めます。

大覚禅師語録(建長寺開山蘭渓道隆の遺書)には
「建長建長(鎌倉の建長寺)と塩田(安楽寺)とは各々一刹により、或は百余衆或は五十衆、皆これ聚頭して仏法を学び、禅を学び、道を学ばんことを要す云々」という一節が残されています。

これにより安楽寺は鎌倉時代中期の頃にはすでに相当の規模をもった禅寺である事、そして信州学海の中心道場であったことがうかがわれます。

しかし1333年室町時代、北条氏滅亡後に衰退。
現在は重要文化財など鎌倉時代の文化遺産を多く残す信州最古の禅寺として多くの方が参詣に訪れています。

■八角三重塔(国宝)

安楽寺の境内にある長い石段を登っていくと現れる、八角三重塔。
長野県ではいち早く国宝に認定されました。

八角三重塔と言っても、実際は屋根のような部分が四つに重なって見える建物です。
実際は一番下の屋根のような部分は裳階(もこし※ひさしの事)とされるという理由から、裳階付き八角三重塔と呼ばれるようになりました。

建立された時期はおそらく鎌倉時代末期ではないかと言われています。
木造の八角塔としては全国で一つしかない大変貴重な建築で、中国の技術を用いて造られた建物は大変珍しく、日本技術とはまた違った重厚な佇まいに見る者の心を惹きつけます。

塔は本来釈迦の遺骨を奉安するものですが、八角三重塔は北条氏の供養塔として建てられたものではないかと考えられています。

■2体の和尚像(重要文化財)

安楽寺の「伝芳堂」に祀られる重要文化財は「惟仙和尚坐像」と「恵仁和尚坐像」です。
鎌倉時代後期、塩田北条氏が3代にわたり別所の地を領有し、多くの鎌倉の文化を取り入れました。
栄から帰朝した惟仙和尚は後に安楽寺を開きます。恵仁和尚は惟仙和尚に従い、安楽寺二代となった中国の僧です。
安楽寺は鎌倉の寺院とのつながりを大切にし、塩田北条氏の外護を受けてたいそう栄えたお寺でした。
安置された仏像を見てみると、惟仙和尚坐像はやや身体ががっちりとした印象で、恵仁和尚はやせ型ですが眼光があり、どちらも生前の姿が垣間見られます。

■希望の木「高野槙」

安楽寺には希望の木と言われる「高野槙(こうやまき)」があります。
真言宗の総本山である高野山に多く生えていることから「高野槙」と名づけられた霊木です。
実際に見るととても大きく、見上げると突き抜けるような「高野槙」はすみずみまで手入れが行き届いた安楽寺が誇る名木とされています。

■安楽寺の御朱印

八角三重塔など多くの重要文化財が多い安楽寺。そのため、安楽寺の御朱印は大変人気があります。
御朱印は、本堂左手の窓口より頂けるようになっています。
本堂にて参拝させて頂いたあと、御朱印帳を持って窓口へ行きます。
参観している間に御朱印帳に丁寧に直書きして頂けるという事なので、ゆっくり参観できますね。
御朱印は八角三重塔デザインのものだったりと、安楽寺オリジナルで魅力ある御朱印です。

■アクセス

● 名称 :八角三重塔・安楽寺
● 所在地:〒386-1431 上田市別所温泉2361
● アクセス:(1)上田菅平ICから車で30分
(2)上田電鉄別所線別所温泉駅下車徒歩15分