北向観音~ご利益アップ!北向観音と善光寺は合わせて参拝がおすすめ

北向きのお堂で知られる北向観音堂。
善光寺と合わせて参拝することでご利益が倍になると言われています。
他にも恋愛成就のパワースポットとしても知られ、毎年多くの観光客が訪れる北向観音。
人気のお寺である理由と見どころを解説します。

■北向観音とは

北向観音堂は平安時代初期の天長2年(825年)別所温泉に観音菩薩が出現したため、円仁慈覚大師が観音菩薩を安置するため開創した霊場です。
厄除け観音として広く信仰を広めています。

木曾義仲挙兵の際に焼失してしまいますが源頼朝が再興。その後北条義政より寺領の寄進があったと伝えられています。

一般的には、お堂は極楽浄土のある東か南向きが当たり前とされています。
ではなぜ北向観音堂は北向きに建てられているのか?

それは北向観音の境内にある立札に
「本尊は千手千眼観世音菩薩で北斗星が暗夜の指針となるように、この北向きの、み仏は衆世を現世利益に導く霊験があり、南向きの善光寺と相対し古来両尊を参拝しなければ片詣りになると言われている。」と書かれている事から読み取れます。

これは”北斗七星が世界のよりどころとなるように、私も人々の迷い苦しみを救いたい”という千手観音の願い。

そして現世のご利益がある北向観音と合わせて、阿弥陀様を御本尊とする善光寺をお参りすることで、現世と来世の幸せが約束されると伝わりました。

どちらか一方のお参りは”方参り”と呼ばれるそうなので、別所温泉へ来られた際には両寺社へのご参拝がおすすめです。

■縁結びの木「愛染かつら」

北向観音の境内にある桂の木は「愛染(アイゼン)かつら」と呼ばれます。
この桂の木は樹齢1200年という大木。縁結びの木としても知られ若い方に人気です。

小説家・川口松太郎(第一回直木賞受賞)は、愛染明王堂と愛染かつらの木に因んだ、恋愛小説「愛染かつら」を書き上げました。
小説の中では恋愛情景を桂の木に絡ませたセリフもあり、そのストーリー展開の魅力から小説を原作にした映画やドラマは大ヒットを記録。
これを機に桂の木は「愛染かつら」と呼ばれるようになり、多くの人に知られるようになりました。
昭和14年には長野県の天然記念物に指定されています。

■夫婦円満の木「夫婦杉」

北向観音堂の西側に、二股に分かれた杉の大木が仲良く並んで立っています。
下から見上げると大きく生い茂る杉の木に圧倒されます。
夫婦杉(メオトスギ)は、夫婦円満の象徴として多くの観光客から人気の名所として親しまれます。
北向観音は縁結びや恋愛成就のパワーポットとして知られ、境内の木々にも見えないパワーを宿す不思議な場所なのかもしれませんね。

■北向観音の御朱印

北向観音のご朱印はとても人気で、混雑時は待つこともしばしば。初穂料は300円です。
北向観音堂のお守り授与所で直接書いていただくことができます。

朱印帳専用の「朱護箋」も人気で、愛染かつらの葉をモチーフにした北向観音の切り絵朱護箋や、友禅和紙を使用した常楽寺朱印所の朱護箋は、住職夫婦の手作り。

「朱護箋」には朱印を頂く方の道中をお守りしたいという願いが込められています。

■アクセス

● 名称 :北向観音
● 所在地:〒386-1431  長野県上田市別所温泉1656
● アクセス:(1)上田菅平ICから車で30分
●      (2)上田電鉄別所線別所温泉駅下車徒歩10分