北向観音の近くにあるため、観光スポットとしても人気の大師湯。
大師湯は外湯の中でも一番の泉質をもつ女性のお肌におすすめの温泉です。
そんな大師湯の歴史などおすすめポイントを紹介します。
■大師湯とは
別所温泉の有名な外湯の一つとして「大師湯」があります。
「北向観音堂」の参道の入口付近にあり、職人の伝統をつなぐ丸みをおびた破風屋根の建物は珍しく、人々の目を惹きつけます。
建物の前にあるのは「慈覚大師の湯」と書かれた石碑。「大師湯」は”慈覚大師ゆかりの湯”として多くの方に親しまれています。
慈覚大師とは、平安時代初期の天台宗の僧で、唐から多くの経書・書物を日本に取り入れ、比叡山に総持院・常行三昧堂を建立。
比叡山延暦寺の最高位である第3世天台座主に就きたくさんの人々を導いて来られた方です。
その慈覚大師が好んで入浴されていたとされるのが「大師湯」です。
お湯は3つの外湯の中でも一番評価が高く、硫黄の香りが漂うサラサラとした上品なお湯が特徴です。
そして大師湯といえば”源泉かけ流し”。湯口から出る湯はもちろん、カランから出るお湯までもが源泉というなんとも贅沢な温泉です。
5人程が一緒に入れるくらいの半楕円形の湯船に、タイル張りのレトロな雰囲気の浴室内は昭和の日本を思い出させてくれます。
こじんまりとした空間ですが天井が高く開放感があり地元の方に人気の外湯です。
泉質は無色透明の単純硫黄泉で100%かけ流し。
タオルや石けん、シャンプー、ひげ剃り等は番台で販売しております。
お湯にこだわりがある方は是非、源泉かけ流しの湯を肌で実感してみてください。
■慈覚大師ゆかりの湯など多くの伝説を残す大師湯
天長2年・平安時代の頃、比叡山延暦寺に座主である円仁慈覚大師が、北向観音建立の為訪れた際に好んで入浴されたという理由から「大師湯」と名づけられたと言われています。
実は「大師湯」にまつわる言い伝えは他にもいくつかありあます。
昔、矢傷を負ったキジが温泉で傷を癒していた事から「雉子湯」とも呼ばれていた事。他にも北向山にお参りした龍の者が、一晩中入れ替わりで温泉を利用した事から「龍の湯」とも呼ばれていたという伝説も。
ちょっと怖い話もあり、現在重要文化遺産である二代幼牛の両禅師の木像さまが、夜になると大師湯に入浴に来られるという事を恐れた村人が木像さまの目玉を抜き取ったという逸話も残されています。
多くの伝説が伝えられてきた温泉「大師湯」。
円仁慈覚大師を魅了した温泉は、キジ・仏像までもを惹きつける魅惑の温泉は、湯めぐりの一つとして欠かせない温泉となりました。
■アクセス
● 名称:別所温泉 大師湯
● 所在地:〒386-1431 長野県上田市別所温泉1652-1
● 営業時間:6:00~22:00(最終受付21:30)
● 定休日:第1・第3木曜日
● 入浴料:150円
● アクセス:(1)上田菅平ICから車で30分
(2)上田電鉄別所線別所温泉駅下車徒歩10分