1.善光寺ご開帳は七年に一度の盛儀
善光寺ご開帳は「善光寺前田本尊開帳」のことで、7年に1度しか行われないイベントです。御開帳するのは一光三尊の阿弥陀仏如来ですが、これは絶対秘仏となっており、直接の参拝はできません。そこでこの阿弥陀仏如来の代理として、前田本尊を長野県にある善光寺の本堂にお迎えして御開帳を行います。
代役として使われる前田本尊は、絶対秘仏の代理となることを目的として、鎌倉時代に作られた本尊です。現在は鎌倉時代からの歴史的文化遺産にも指定されており、一光三尊の阿弥陀仏如来と同じ姿をしているものです。普段は御宝庫の中で大切に保管されていますが、7年に1度のご開帳の際にだけ、参拝客の前に姿を見せてくれます。
2.一光三尊阿弥陀如来の特徴
一光三尊の阿弥陀如来は、光背の中央に阿弥陀如来が立ち、向かって右手側には観音菩薩、そして向かって左手側には勢至菩薩が並んでいます。善光寺ご開帳の際に参拝できる本尊も全く同じ姿をしており、阿弥陀如来と同じように右手に金の糸が結ばれています。
この金の糸は五色の糸となり、やがては「善の綱」となって回向柱に結ばれます。参拝客はこの回向柱に触れることができ、それによって御利益を得られるでしょう。
回向柱は善光寺の本堂の前にあり、高さは10メートルもあります。1707年に松代藩が幕府から命を受けて建造したもので、回向柱にも古い歴史があります。それから現在に至るまで300年以上、大切に保存されてきました。
善光寺ご開帳では、この回向柱は松代町を大名行列や姫行列とともに練り歩きながら善光寺へ運ばれてきます。道中では、この引綱に触れることもでき、大きな御利益があります。
3.JR長野駅から善光寺までの参拝ルートマップもアリ
善光寺ご開帳は、7年ごとに開催されるイベントです。本来なら、令和3年がちょうど7年目に当たりましたが、新型コロナの影響によって延期措置となりました。
令和4年にはウィルスの感染拡大が一段落したこともあり、厳重な安全対策を取りながら4月から6月にかけて、ご開帳を行う運びとなりました。
善光寺ご開帳には、全国からたくさんの人が足を運びます。7年に1度しか行われないイベントですし、令和3年には延期となったこともあり、令和4年のご開帳期間には、これまでよりも多くの人が参拝すると予想されています。
ご開帳期間は寺院周辺はもとより、JR長野駅の周辺も多くの人でにぎわいます。そこで善行寺および地域コミュニティでは、JR名護の駅から善光寺までの道中には、どんな見どころがあるのか、どんな風にどこを歩けばよいのかという点を、マップとして紹介しています。参拝の際には、ぜひ参考にしたいものです。
また善行寺では、混雑予想具合をカレンダー式に紹介しています。全般的にイベントは週末に開催されることが多く、その際には普段よりも混雑すると見込まれています。参拝の際には、そうした込み具合も念頭に入れながら、交通手段の手配をすることをおすすめします。