善光寺ご開帳の大法要では何をする?

1.善光寺ご開帳期間中には毎朝お朝事

善光寺ご開帳期間中には、普段は本殿にない前立本尊が善光寺の本殿に設置されます。そのため期間中には毎朝、天台宗と浄土宗の僧侶たちがそれぞれ、お朝事を行っています。こうしたお朝事は行事として一般公開されているわけではありませんが、善光寺ご開帳期間中には、開闢大法要や中日庭儀大法要、また結願大法要など、大法要を行事として行うことも複数あります。もしも法要の様子を見たいなら、行事の日時に合わせて善行寺を参拝するのが良いかもしれません。

 

2.開闢大法要とは?

善光寺ご開帳における開闢大法要とは、7年ぶりに姿を見せる前立本尊の初めてのお披露目という意味を持つお朝事です。令和4年の善光寺ご開帳では、開闢大法要は4月3日に開催され、朝6時に住職が前立本尊の扇子を開きます。

その後、朝10時から天台宗と浄土宗の各僧侶がそれぞれに法要を行います。この部分が、一般の参拝客にも公開されており、誰でも見ることができます。

 

3.中日庭儀大法要は宗派ごとに別日設定

善光寺ご開帳では、中日庭儀大法要も行事として開催されます。この大法要は、宗派ごとに開催日が異なるため、注意しましょう。浄土宗の法要は、4月23日に開催され、天台宗は5月7日の開催となっています。

この中日庭儀大法要は、善光寺ご開帳期間の中でも最も大きな意味を持つ法要だと考えられています。法要では、華やかな衣装を着たお稚児さんを先頭にして、それぞれの宗派の僧侶や住職が前庭へ向かって行列を作って進みます。そして、本堂前に建立されている回向柱の前で、法要を行う流れとなります。

境内内で行われるこの大法要は、真っ赤な色がメインに使われています。たとえば僧侶は真っ赤な傘を使用している他、散華は蓮の花をかたどり、仏教の世界観を美しく見事に演出しています。この法要を見ていると、仏教の魅力に引き込まれるという参拝客は多く、極楽を連想させるような美しさを堪能できます。

 

4.善光寺ご開帳の最後の行事「結願大法要」

善光寺ご開帳の開催期間の中でも最終盤に行われるのは、結願大法要です。これは令和4年の善光寺ご開帳では6月29日に開催される行事で、週末ではなく平日の開催となっている点が特徴です。

この行事は、3ヶ月間にわたるご開帳期間に終わりを告げる役割を持っています。中日庭儀大法要のように屋外での行事ではなく、本殿で天台宗と浄土宗の各僧侶が行う法要が公開されることになります。この法要は、午前10時から正午にかけて行われますが、その後午後5時には、夕座法要が開催されます。

夕座法要においては、私達人間との縁を結んで極楽浄土へ延びる道導を示してくれた前立本尊に感謝し、扇子の扉を閉める儀式を行います。

最後の大法要が終了すると、いよいよ前立本尊が再び7年間という月日に向けて本殿を去り、御宝庫で安置される御還座式によって善光寺ご開帳は閉幕となります。御宝庫へ戻った前立本尊は、そこで封印が施されたうえ、安全な場所で次の善光寺ご開帳まで安置されます。