長野県を代表する観光地といえば、なんといっても善光寺でしょう。コロナ禍前には年間700万人もの人が参拝に訪れ、ご利益が多いことで知られています。善光寺には魅力ある木造建造物が多く、訪ねるたびに新しい発見があります。七年に一度の盛儀である善光寺ご開帳は新型コロナウィルス蔓延の影響で1年延期され、今年2022年に1ヶ月間期間を延長して開催されます。まだ善光寺にお参りをしたことのない方はこの機会に訪れてみるのも良いでしょう。
境内の入り口 仁王門を潜って仲見世通りへ
善光寺の広大な境内には、仁王門、山門など重要文化財に指定されている木造建造物が多く存在します。まず目を引くのが大きな仁王門です。高さ13.6m、間口13m、奥行7mあり、左右に配置された仁王像に圧倒されることでしょう。善光寺の仁王像は左側に阿形像、右に吽形像と通常とは逆に配置されています。創建時に建てられた仁王門は地震や火災で幾度か消失し、現在の仁王門は大正7年に再建されたものとなります。
仁王門から山門まで400mほど石畳が続き、仲見世通りと呼ばれる通りに、土産物店や旅館などが軒を連ねています。左右の通りには宿坊通りがあり、蕎麦屋、おやき、カフェなどのお店が参拝客をもてなしてくれます。ここで長野名物に舌鼓を打つのも良いでしょう。如来堂は元々、現在の仲見世どおりがある場所にありましたが、人家を伴う商店街が近くにあったことにより、幾度も火災に見舞われることをきっかけとして、現在の場所にうつされたと言われています。
山門に掲げられた善光寺の額に隠された秘密とは?
仲見世通りを抜けると、いよいよ山門が見えてきます。この山門の正面に掲げられている額には善光寺と書かれていますが、実は秘密があるのです。この文字の中に5羽の鳩が描かれています。それぞれの文字をよく見て、どこに鳩がいるのか探してみるのも楽しい時間となるでしょう。鳩が文字として描かれていることから、鳩字の額とも呼ばれています。輪王寺宮公澄法親王の筆で1801年に作成されています。今にも飛び立ちそうな遊び心のある書を、お参りの時にしっかりと確認し、写真にも納めてきてくださいね。
歴代の回向柱を一度に触れられる?
善光寺ご開帳の盛儀はさまざまな儀式が行われますが、回向柱に触れることで阿弥陀如来様とのご縁がつながり、極楽浄土にいけると伝えられています。もちろんご開帳の際は多くの参拝者が訪れますので、コロナ禍の影響でまだまだ人混みを避けているという方にとっては、お参りをしたくても二の足を踏んでしまうかもしれません。
実は歴代の回向柱は境内の中霊殿・善光寺史料館近くに設置されており、参拝者は誰でも触ることができるのです。全ての回向柱を1日で全て触ることができる場所があるというのは意外と知られていません。善光寺ご開帳のタイミング次第では開催後にお参りし今年新たに加わる回向柱に触れるという裏技を使うこともできます。感染対策に留意し、安心してお参りできる日にぜひ善光寺を訪れてみてください。