御柱祭の見どころ

諏訪大社で行われている御柱祭には、たいへん盛り上がる見どころがいくつもあります。

1.御柱祭『山出し』

・上社の見どころ

上社の山出しの見どころは、大きく分けると3つあります。

1つめは、最初の難関と言われる「穴山の大曲」です。住宅街にあるこの場所は、道が狭く折れ曲がっており、氏子たちが一丸となって、梃子棒を利用しながら、合図に合わせて曳き綱を引っ張ります。ゆっくりと、しかし確実に通り過ぎていく様子は、見どころであると言えるでしょう。

2つめは、「めどでこ」に氏子たちを乗せた状態で、27度もの傾斜の坂を滑り下りていく「木落し」です。御柱に乗った氏子たちの果敢さと、元綱を曳く係や梃子を扱う氏子たちの腕の見せどころです。

3つめは、「宮川の川越し」です。宮川の清流で御柱を清めるという意味があり、水温10度以下、時には雪が降る中、氏子たちは川に飛び込んで、綱を曳きます。その勇ましい姿は、まさに見どころであると言えます。

・下社の見どころ

下社の山出しの見どころは、大きく分けると2つです。

1つめは、最初に迎える難所「萩倉の大曲」です。住宅に囲まれ、細い上に大きくカーブしているために全体を把握するのが難しく、元綱・梃子・追掛綱を扱う氏子たちが掛け声を上げ、木遣り唄を歌いながら一丸となって通り過ぎるさまは、見どころの1つです。

2つめは、下社の山出しにおける最大の難所と言われる「木落し」です。御柱の上に氏子を乗せたまま、約100メートルも急な斜面が続く木落し坂を滑り下りるというものです。煙を上げ、轟音を響かせながら滑っていくさまはたいへんな迫力があり、最大の見どころです。人数制限がされることもあるほど、観客が集まる場面でもあります。

2.御柱祭『里曳き』

・共通する見どころ
上社と下社共通の里曳きにおける見どころとして、クライマックスである「建御柱」が挙げられます。御柱の先を(上社の場合は「めどでこ」を外してから)三角錐の形に切り落とす「冠落し」が行われた後、氏子が乗った状態でワイヤーとロープを用いて曳き起こします。御柱が神となるための神事であり、見どころの1つです。

また、御柱曳行を盛り上げる、花笠踊りや長持ち行列、龍神の舞といった、地域に伝わる伝統芸能の数々もたいへん豪華で、その華やかな彩りも見どころだと言えます。

・上社の見どころ

上社の里曳きにおける見どころとして挙げられるのは、「御柱迎え」と呼ばれるものです。御柱が御柱屋敷を出発した際に、上社本宮の宮司を先頭にして、御輿(「お舟」と呼ばれる)をかついだ人々や旗を持った人々の行列が、御柱を出迎えるために出発します。御柱と出会うと本宮へと引き返し、神事が行われます。

・下社の見どころ

下社の里曳における見どころは、騎馬行列です。この騎馬行列には、諏訪市神宮寺地区に受け継がれてきた出陣騎馬と、諏訪市四賀地区に受け継がれてきた凱旋騎馬の2つがあります。道具や衣装の彩りの華やかさで、見どころだと言えるでしょう。