御柱祭とは?
御柱祭は、諏訪大社で開催される7年に1度のお祭りです。干支でいうと寅と申の年に行われ、正式な名称は「式年造営御柱大祭」と言います。宝殿を造り替え、そして社殿の4つの御柱を選んで山から曳き、境内に建てる神事です。諏訪大社で行われる神事の中では最も重要なものとされ、1200年以上も続いています。諏訪の6市町村の氏子の他、氏子たちの親戚、そして観光客も集まって熱中するお祭りです。
諏訪大社は上社、下社に分かれており、それぞれで御柱祭が行われます。御柱として運ばれる木は樹齢200年くらいのもみの木が選ばれ、その巨木を曳いて建てるという神事です。その木は直径約1メートル、長さが約17メートル、重さは10トンにもなると言われています。上社は約20km、下社は約17kmの距離を人の力だけで曳き、それぞれの宮の四隅に建立するお祭りが御柱祭なのです。
7年に1度しか行われないので、地元の人たちはこれに向けて様々な準備をして、その時に備えます。地元の人だけでなく、勇壮な祭を見たいという観光客も多く集まって見学するので、かなり盛り上がるのは間違いありません。御柱祭が行われる間は他の催しもあるので、祭見学の他にも楽しめることが多くあります。
上社の御柱祭
諏訪大社の上社の御柱祭は、開催される年の4月初め頃に山出しが、5月初め頃に里曳きが行われます。上社では、本宮に立てられる一から四の柱と、前宮に立てられる前一から前四の柱の計八本を、氏子たちが曳き子となって、山出しを3日、里曳きを3日かけて行います。
山出しは、八ヶ岳の麓の農場の下の綱置き場から曳き出されます。途中に「穴山の大曲」という90度のカーブがあり、最大の見せ場になります。
山出しの2日目から木落しが始まり、上社の御柱前後に角のような柱を設置し、若い衆が乗って音頭を取ります。角のような柱を「めどてこ」と言うのですが、木落しの時は一段と長いめどてこが付けられ、見所だと言われています。
その後には川を横切る場面があり、この川で御柱を清めるとされています。川には御柱の曳き子が入り、勇壮に柱を曳きます。
御柱を御柱屋敷と言われる場所まで曳くと山出しは終わりです。御柱屋敷で5月初めにある里曳きまで御柱を休ませます。里曳きは御柱を前宮、本宮まで人力で曳いて運び、前宮、本宮で御柱を建てるところまでとなります。
下社の御柱祭
下社の御柱祭は、開催される年の4月10日前後に山出し、そして5月10日前後に里曳きとなります。ここでは、春宮に立てられる春一から四の柱、そして秋宮に立てられる秋一から四の柱の計八本を氏子たちが曳きます。こちらも上社と同じく、山出しが3日、里曳きが3日となっています。
こちらの山出しで注目されるのは、急な坂を曳き子が乗って下りる木落しです。迫力あるシーンなので多くの観光客が集まるのですが、人が集まりすぎると危険なので、入場が制限されることがあります。